納経軸表装の老舗の秘密の技とは?
団塊おじさんの納経軸を掛け軸に表装してもらったときの、京都の老舗のご主人との話です。
「せっかく何年もかかって、やっと出来た納経軸です。
これから末代まで大切にされるに値するお軸にさせてもらいます。」「お願いがあります。出来上がりがいつだ?とか、お金はいくらや?とか、一切聞かないで下さい」「私らにもわかりません」
な~んて、なんとすごいことを言うご主人ではないかと思いました。
ご主人はその理由として「例えば、5000円でしてくれといわれれば、5000円でします。10000円でも、50000円でも、言われた金額で表装をすることはいくらでも可能です。
でも、5000円でした表装には、私らは責任ようもちまへん」「せっかく時間と金を掛けて、表装した掛け軸を、床の間に掛けて皆さんに見てもらっているとき、
なんや、これは?といわれるような表装は私らはしたくないんです」
「表装されたお軸は、その日来やはった皆さんが観はります」「貧相な表装やったら、みんな思もわはります。『けちらはったなあ』と」・・・・・。
老舗のご主人曰く、安い表装は一枚ものにのりで貼り付けるだけで、床の間に一時間も吊っておいたら部屋の湿気を吸って両端が内側に反って曲がってくるということです。
天地は軸棒があるので反り返らないものの、軸のない真ん中は湿気を吸って内側に反り返るというのです。
反り返る事はどうしようもないことなので、昔の人は真ん中の台紙をいくつもつなぎ合わせて、そのつなぎ目がいわゆる軸棒のような役目をして反り返ることを防いだというのです。
よーくみると表装された正絹に張り合わせてある台紙に何箇所もつないである事が見て取れました。本当に昔の人っていろいろなアイデアを出していたのだなあ~
と老舗のご主人のお話を聞いて団塊おじさんは当時感心したものでした。でも、まだご主人のびっくりする話は続くのでした。
こころは青春の団塊おじさんでした
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