表装掛け軸の台紙に貼る のり の秘密
団塊おじさんと京都の老舗表具師のご主人との話しは続きます。
『安物はせっかく正絹の良い材質でも、一度台紙に貼り付けたらもうはがす事はできやせん』
どういうことですか?と聞くとつまり
納経された巻紙の材質が正絹であっても、それを掛け軸として表装するときに貼る台紙が安い洋紙だと一見素人には見分けがつかないというのです。
掛け軸に表装する台紙が和紙の場合でも、ピンからキリまで和紙の材質があり、そこはお客様の希望で納得してもらってから台紙に貼るというのです。
そして台紙に貼るのりもピンキリというのです。つまり掛け軸はどうしても手の脂と部屋の汚れが付着して使用頻度にもよるが、何十年に一度かは掛け軸に表装されている元絵をはがして、再度新しい掛け軸・台紙に貼り替えて何代も伝えていくものだというのです。
先人の智恵の素晴らしさ、ものを大切にするという日本人のこころの原点に 掛け軸 をとおしてふれた気がしました。
ご主人の話は続きます。『安物の のり は一度貼ったらもうはがれへん。お客様の大切な元絵をだいなしにしてしまうような仕事、わたしにはできまへん』
つまり、台紙にはる のり は昔から ふのり と相場が決まっているというのです。ふのりも、一番ふのり・二番ふのり・三番ふのりなどがあり12月~2月の厳寒期に採れるものが最も良質だとの事です。
もう一旦話出したら止まらなくなってきそうなので、丁重に話を打ち切ったことを覚えています。
つまり、何回も元絵を貼りかえるために ふのり が必要で、安価な表装では一度貼った元絵はもう貼りかえる事はできないということだそうです。
皆さんはどうされますか?・・・。だからこちらが予定している値段をまず話して、そして納得してから表装の仕事を依頼されるのが一番のようですね。
ところで、できあがった掛け軸、何にいれて片付けておきますか?
こころは青春の団塊おじさんでした
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