四国八十八カ所ドライヤー不要を唱えるご住職の真意は?
団塊おじさんと納経所にドライヤー不要論を展開するご住職の話は続きます。
ご住職はおっしゃいました。
「お軸の布は正絹です。お蚕様の口から出た糸を紡いだ絹はいつまでも光沢を失わない。絹は生きています。その絹にドライヤーの熱風を当てたらどうなると思う?」
「例えば、君の皮膚にドライヤーの熱風を当てたらどうする?」「熱いといってすぐにドライヤーを身体から離すだろう。そのままではやけどしてしまうからね」
「でも、絹は、お軸は 熱いと言えないんだよ。お軸に墨書したご本尊様はきっと熱い熱いとおっしゃっておられるよ。」
「自分の身体にはドライヤーをかけると熱いと判るのに、考えもなしにお軸にドライヤーを使ってしまう。しかも、より早く乾くようにとお軸にドライヤーをあてている遍路がいる。何を考えているのかと思う事がある。お軸の気持ちを判ってあげようよ」
ご住職の話はまだまだ続きます。
「それに、お軸にドライヤーを使わない事は、決して乾燥する時間の問題だけではないのだよ」
「正絹はもともと熱に弱く、熱を加えると時間の経過と共に、黄色く変色してしまうのだよ。」
「だからドライヤーを使って乾かすと、時間の経過と共に白いはずのお軸が黄色く変色してしまう。おまけに絹独特の光沢もなくなってしまう」
「だから、ドライヤーを使ってお軸を乾かした人は、表装に出してところどころが黄色くなっている出来上がりを見て、あれっ?とびっくりする人が多いのもうなづけるんだ。」
「中には表装の仕方や技術がまずいとか、値段が安いから仕方がないとか・・・。でも本当はドライヤーの熱風を当てたのが原因なのだ」
なるほど、と私はただ感心するばかりでした。
だったらドライヤーをすべての札所の納経所に置かなければ良いのに・・・。とも思いますが、それはバスツアーなどの団体参拝する人が多い中で、
その人たちには、ツアーのスケジュールの時間が優先し、お軸の乾燥時間を短縮する為には、ドライヤーが欠かせないものとなっている限り、その使用はやむをえないのかも知れませんね。
でも、一人や数人でお遍路している人は、表装したときのきれいな仕上がりを考えて、お軸のために、ドライヤーの使用は避けるようにしたいものです。乾くまでの数分の時間なんて、待てないはずはありませんよね。
こころは青春の団塊おじさんでした
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